EFRは「命の授業」

命の重さ
偶然にもパパラギ新宿店前に遺棄されたバラバラ死体の記憶も新しいまま、新しい年が明けてからも日本のいたるところで、ほぼ毎日の様に殺人事件が発生しています。
また、相変わらずイラクでは、米軍による掃討作戦に抵抗する武装勢力による攻撃や爆弾テロなどによる大量殺人が後を絶ちません。
段々と人の命の価値が薄くなり、人が人の命を奪う行為とその報道にも慣れっこになってしまう風潮に、心を痛めざるを得ません。
どうして、こんなにも悲惨でおぞましい事件が続くのでしょうか?
また、残酷で、凶悪な犯罪に限らず、「いじめ」の様な日常的な問題も含め、何故こんなにも「人の心を失った」様な事が多くなったのでしょうか?
原因は決して単純ではないでしょうし、一つや二つの現象を見てそれらを語る事も愚かな事かも知れません。
しかし、私達は私達なりに考えてみるべき事があるのではないか?と思うのです。 (2007年 1月)
武本 匡弘
小学5年生の時、「海洋少年団」の実習訓練で救急蘇生法を体験し、その後ライフガード経験等を通し、現在に至る。 救急蘇生法手順を基本にした学校授業プログラム「命の授業」は、延べ30ヶ所以上の保育園~小・中・高校での実績がある。 また、海上保安官だった父は、現役時代から40年以上に渡り、日本赤十字水難救助指導に携わり、そのボランティア精神の影響を大きく受けた(本人 談)

自然に接する事は命を感じる事
90年代、子供による凶悪犯罪が多発し始めた頃、世間のこれらの犯罪の防止策として筆頭に挙げられたのは、青少年法の改正論や、成人並みの刑罰、極刑論。そして、それらに便乗してマスコミが先頭となって青少年の非行事件に対する氏名、写真の公開等の狂った大人達の暴論騒ぎが続きました。
私はこれらの騒ぎは親が子供を殺すという「子殺し」と何ら変わりはないと思うのです。
「子供が変わった」と馬鹿な事を言う大人がいますが、子供が変わったのではなく、大人が変わったという事に彼らは気がつきません。
子供が起こす非行は全て親、そしてそれを取り巻く社会環境に大きな原因があるというのは火を見るより明らかな事です。
こう言った暴論がうずまき、人々が真に正す道を失っている中、幾人かの良識者や身近な教育者、先生方と接していて得た事も少なくありませんし、様々なヒントを頂いたこともありました。
そんな中、故 灰谷健次郎が常々言っていた言葉を忘れる事が出来ません。
それは、「戦後の日本の教育の過ちの中で、自然と触れさせる機会を奪ってしまった事が、一番大きい。」
「成長期において、自然の中で触れる直接的、間接的な命のリアリティーが人を形成して行く上で最も大切な事であるのに」という言葉でした。
海というフィールドで仕事をする私達にとって、とても勇気づけられる言葉でもあり、私自身、こういった事がNPOパパラギ“海と自然の教室”の活動を始めるきっかけになった事は言うまではありません。
“海と自然の教室”は決して子供のためだけの活動ではありません。むしろ、大人の為の体験型啓蒙活動でもあるのです。
「子供の凶悪犯罪」が多発し始めたと言われた頃から数年が経ち、そして今年の事件のほとんどが、大人が犯す残酷な犯罪であるという事は、何をもの語っているのでしょう?
本当は"子供への教育"という前に、"大人の教育"が必要なのかも知れません。
武本 匡弘
小学5年生の時、「海洋少年団」の実習訓練で救急蘇生法を体験し、その後ライフガード経験等を通し、現在に至る。 救急蘇生法手順を基本にした学校授業プログラム「命の授業」は、延べ30ヶ所以上の保育園~小・中・高校での実績がある。 また、海上保安官だった父は、現役時代から40年以上に渡り、日本赤十字水難救助指導に携わり、そのボランティア精神の影響を大きく受けた(本人 談)

新しい救急蘇生法 2010年ガイドライン:
心肺蘇生法の手順は、AHA(アメリカ心臓協会)のガイドラインに則って5年に一度の見直しがされます。その中でも、2010年の手順変更はこれまでで一番大きかったと言えるでしょう。
目の前で誰かが倒れた時に手を差し伸べたいと思っても、マウス・トゥ・マウスの人工呼吸をするのはためらってしまう人が少なくありません。(また、人工呼吸を行うことで、胸部圧迫のサイクルが途絶えてしまうという矛盾もありました)
心肺蘇生法は手順が改定される度に、よりシンプルに、そして誰にでもできるようになって来ましたが、今回は遂に「人工呼吸をしなくても良い」という大きな変更がされたのです。と言っても、ただ単に誰にでもやりやすいようにという理由ではなく、データでもはっきりと裏付けがされています。
まず、心肺蘇生を必要とされる場面では、命を救うだけではなく、社会復帰できることが目的となります。
呼吸が止まっておよそ4分半経過すると、脳細胞の破壊が始まります。そのため、後遺症を残さない為には、どれだけ早く脳に酸素を供給してあげられるか?が勝負と言えるのです。
2010年のガイドライン変更では、人工呼吸をすることに躊躇をしたり、血液の循環が妨げられるよりも速やかに胸部圧迫を行うことで、体内に残っている酸素を脳への送ることの重要性が強調されているのです。
日本救急医学会関東地方会の研究によると、救急隊到着時に完全に呼吸が停止していた人に限った分析での回復率は、心臓マッサージだけの患者が6%だったのに対し、両方受けた患者は3%で、心臓マッサージだけの患者の方が回復率が高いという結果でした。
また、蘇生措置の6割以上は一般の人が、残りは通りがかった医師ら医療関係者が実施したが、効果に差はなかったという報告がされています。
つまり、適切な心肺蘇生の技術を身につけることは、医療関係者がいないところで大切な人が倒れた場合も、自分が助けられるようになるということなのです。
松本 行宏
EFR(エマージェンシー・ファースト・レスポンス)インストラクタートレーナー
オーストラリアのクルーズ船で働いていた当時、応急手当の初~上級コースを受講。帰国後は、ダイビングインストラクターとして救急救命法やレスキュー技術を指導。藤沢市の応急手当普及員としても、学校・企業での講習を担当する。全ての人が救命救急の技術を身につけるべきという信念で、活動を続ける。

命の授業
救急法の様な、一見現実的ではあるけれど、自分の身の回りに起きている訳ではない事に関しては、想像力を持ち、よりリアリティーを感じる様な内容で、取り組む必要があると思います。
それは、どれだけマルチな感性や、情報、そして想像力を持って挑むか?という事に、かかっています。
ほんの5分~6分の間に、人の一生を左右するほどの事を施す事が出来るかも知れない。
これほど現実味のある具体的な行動は、他にありません。
そんな素晴らしく人間的で具体的な体験に、自覚と高い意識を持って取り組めば、それは、きっと素晴らしい講習になり、人から人へと伝わり、多くの人々が興味を持ってくれるはずです。
何故なら、EFRコースは、人にとって最も関心がある"命"がテーマであり、
その尊さを実感し共有する、 体験型「命の授業」でもあるからです。
武本 匡弘
小学5年生の時、「海洋少年団」の実習訓練で救急蘇生法を体験し、その後ライフガード経験等を通し、現在に至る。 救急蘇生法手順を基本にした学校授業プログラム「命の授業」は、延べ30ヶ所以上の保育園~小・中・高校での実績がある。 また、海上保安官だった父は、現役時代から40年以上に渡り、日本赤十字水難救助指導に携わり、そのボランティア精神の影響を大きく受けた(本人 談)
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